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留学先の選び方

中国の標準語とは?

大学を選ぶ前に中国のどこに留学するか、よく話題になるのが「きれいな標準語」というポイントです。日本では北京、天津、東北3省が中国の標準語圏と言われていますが、中国で厳密に「標準的」な中国語が話されているのは黒龍江、吉林の2省です。日本人が多く留学する大連はイントネーションのアップダウンが大きく、北京・天津は巻き舌が強いです。では先に挙げた2省も100%標準的かというとそうではなく、語尾のer化が激しいです。例えば校門の意味の「大門」はしばしば「ダーマール」と発音されます。er化に慣れていないと何のことだか分かりません。100%正確な「標準語」を使っているのは、中国のアナウンサーだけだと思ってください。

中国での「標準語」とはいったい何なのでしょうか。私はこの「標準」という2文字が誤解を招いていると考えています。中国は国土が広大で、50以上の民族を持つ国家です。地域ごとに方言があり、「中国語」も地域ごとの訛りを持ちます。

確かに「標準語」は中国政府が正しいと認めた「中国語」です。しかし、中国での実生活の視点からみると、「標準語」とは東北2省で使われている「中国語」と言えます。つまり「東北2省中国語」なんです。

中国には地域ごとに違った「中国語」があります。巻き舌の強い「北京・天津中国語」、巻き舌が弱い「上海中国語」、イントネーションが激しい「大連中国語」、そして「東北2省中国語」。実際に中国で暮らしている者から見ると、「標準」なのではなく、東北2省という特定の地域に住む中国人と、アナウンサーが使っている「中国語の一種」なのです。

では、東北2省で勉強するメリットはどこにあるのかというと、「正しい発音」が身につくことです。中国では北京人も広州人も、テレビでアナウンサーが話す「東北2省中国語」に聞き慣れています。ですから「正しい発音」で話せるようになれば、自分が話す内容を相手に聞き取ってもらえる確率は上がります。

逆にデメリットは、「東北2省中国語」以外の中国語を聞き取りにくくなるということです。ハルビンで留学して上海人と会話をしようとすると、聞き取れない単語がいくつもあると思います。ですが、これは中国のどこで勉強しても同じことです。私は上海で留学しましたが、巻き舌の「北京・天津中国語」、イントネーションが強い「大連中国語」は言うまでもなく、er化の強い「東北2省中国語」もすべて聞きにくいです。

ですがあくまでも「聞きにくい」です。「聞き取れない」ではありません。本当に聞き取れないんだったら北京人と広州人は会話ができませんよね。このサイトの大学情報はすべて中国の大学のスタッフから聞き取り調査をしたものです。大学スタッフだからってアナウンサーと同じ標準語を話すわけではありません。教壇に立たない事務職員は現地の「中国語」を話します。上海で勉強した私でも大連人から取材はできるのです。

あえてベストの方法を挙げるならば、将来就職予定の場所に留学することです。留学後に北京で就職するつもりならば北京で留学するのが一番良いでしょう。ですがそんな先のことは分からないですよね。それに中国のどこでどんな「中国語」を学んでも、かならずある程度の不都合は出ます。そしてその不都合は解決できないレベルではありません。

前述したように、アナウンサーと同じ発音を身につけたいのならば、er化音に注意しながら東北2省で留学することです。ですが、「標準」かどうかは留学先を選ぶ上での絶対条件になるものではありません。ですから、「歴史が好きなので西安で勉強したい。でも標準語じゃないのが心配」と悩んでいるなら、迷うことなく西安に留学すべきです。

また、経済用語の授業がある、武術のコースがある、発音矯正の授業があるなど、一般の大学にはないカリキュラムを持っている学校もあります。留学の目的がはっきりしている方には、こういったカリキュラムでの選び方もおすすめです。

さらに、会社を辞めて留学に来て、そのまま中国で就職する予定の方には、上海・広東省など就職先の多い地域への留学をおすすめします。同じ中国でも地方の小都市とは情報量が圧倒的に違いますし、面接などでも便利です。

大きい大学と小さい大学

それぞれメリット、デメリットがあります。中国留学で自分にとって何が重要なのかで最終判断です。

<大きい大学のメリット>

<大きい大学のデメリット>

<小さい大学のメリット>

<小さい大学のデメリット>

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