vol.079 レッテルで選ぶな

「有名大学に留学した方が良い」

そんな理由で、
北京大学、清華大学、復旦大学など、
中国のエリート大学を選ぶ人が少なくありません。


これ、間違いです。


なぜ、有名大学を選ぼうとするのか？
主に理由として挙げられるのは次の2つです。



まず、
「有名大学は授業レベルが高い、教育の質が高い」



本当にそうですか？
語学留学についてもそうだと言えますか？




例えば北京大学。
清華と並ぶ中国の最高学府です。

ここの教授陣はいうまでもなく中国最高水準です。
中国の頭脳が結集しています。



なぜ？



それは、入試があるからです。



最高峰の入試レベルをクリアして、
全国から最高峰の学生が集まってくる。
彼らを教育するために、
最高峰の教授陣が集められます。

また、最高峰の学生が卒業後も大学に残り、
大学の研究者、教員になっていきます。

入試があるがために、
北京大学の優秀さが成り立っているのです。



では、語学留学はどうか？



実は語学留学に入学試験はありません。
北京大だろうと復旦だろうと清華だろうと、
入学試験はありません。
学費さえ払えば入学できます。


上に述べたような、
入試をハードルとした優秀な留学生の選別はありません。

なのになぜ、教員が優秀だと言えるのか？
根拠がないんです。




有名大学を選ぼうとする人が挙げる理由その2

「有名大学を出た方が就職に有利」



これ、ありえません。



もちろん、正規の入試を受けて北京大に入学し、
4年間勉強して卒業証書をもらう。
これは価値あると思いますよ。

なにせ13億人の最高学府ですからね。
1億2千万の東京大学とはレベルが違います。



でも、語学留学です。
入試なしです。
卒業試験もなしです。
学費さえ払えばＯＫです。



そんなものが就活で有利になると思いますか？
人事の採用担当者ってそこまでバカじゃないですよ。




ついでに、
「外国語を学ぶんだから外国語大学」

これも間違いです。




確かに、外国語大学全体ではノウハウを持っています。
外国語を教えるノウハウを。

ところが、
留学生部って大学全体で異色の存在なんです。
一言で言うと、他の学部との交流がありません。


これは外大に限ったことではなく、
多くの大学で他学部との交流がありません。

私は今まで数百の大学を見てきましたが、
他学部との間でノウハウの交流をしている。
そんな大学は聞いた事がありません。
（もったいないですね。）




なので、
「外大だから外国語を教えるのが上手い」
とは言えないのです。




また、
「外大は日本語を学ぶ学生が多いので、
互相学習の相手を確保しやすい。」

これも一概には言えません。



例えば、
大連外国語学院、上海外国語大学。

確かに日本語学科はあります。
大連外大の日本語学科とか全国的に有名です。


ところが、
両校の日本語学科とも、
郊外の新キャンパスにあります。

留学生が学ぶ市内の旧キャンパスからは、
バスや地下鉄で2時間前後かかるんです。


実は、非常に互相学習をやりにくい大学なんです。




「有名大学」
「外国語大学」


記号としては非常に分かりやすい。


でもね、
大学選びで手抜きしたらダメなんです。
分かりやすいラベルで選んじゃダメなんです。



本質はうわべだけでは分かりません。

有名だからって教授陣が良いとは限りません。
外大だからって互相学習がしやすいわけではありません。



うわべで選んじゃダメです。
本質を見てください。



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【今週のまとめ】
1) 有名大学＝良い、とは限らない
2) 日本語学科が別キャンパスの外大もある
3) うわべではなく本質で大学を選ぶべき
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