たまに次のようなお問合せをいただきます。
「語学留学で卒業資格が取れるか?」
「語学留学すれば大卒扱いになれるか?」
答えはNoです。
卒業資格は得られません。
大卒扱いにもなりません。
100%不可能です。
考えれば当たり前のことなんです。
だって語学留学って、
●入学試験がない
●在学期間は1学期から1年程度
●単位取得なし
●卒論なし
これで大卒の資格を得られるわけないですよね。
たまに、
「留学終了時に大学が発行する証明書がもらえます!」
なんて書いてるサイトがありまして、
これを見て「卒業資格が得られる!」
と勘違いされる方がいらっしゃいます。
でもこれは、卒業証明書ではありません。
「修了証」や「終了証」といいます。
読んで字の如くでして、
「1学期なり1年なりの留学をしましたよ」
ただ単にそれを証明するだけの紙切れです。
卒業資格、つまり、学士号を授与するものではありません。
何らかの理由で大学に進学できず、
学歴が高卒で終わっている。
でも、今から4年間大学に通うこともできない。
そういう方が、
「中国留学で大卒になれないか?」
と思う気持ちは理解できます。
ですが、みんなが4年間かけて手に入れるものが、
たった半年や1年で手に入る。
そんな甘い話はありません。
では、どうすれば中国留学で卒業資格が得られるか?
それは「本科留学」です。
本科留学というのは、
●入学試験を受けて中国の大学に入学し、
●4年間在籍し、
●必要な単位を取得し、
●卒業論文を書き、
●卒業認定を受けて、
●学士号を得る。
つまり日本と同じです。
日本で大学に入る代わりに中国の大学に入り、
日本同様に4年間勉強して卒論を書いて卒業する。
そうすれば大卒の資格を手にすることができます。
ただ、この本科留学、
そんなに甘いものではありません。
まず第一に、
当然のことですが、授業はすべて中国語です。
中国語を聞けて話せて書けることが大前提となります。
第二に、留学後の就職を考えた場合、
それなりの学歴が必要ですよね。
日本に帰って就職する場合、
聞いたこともないような大学だと、
学歴として今ひとつ役に立ちません。
また、中国で就職する場合、
中国ってスーパー学歴社会です。
日本なんて比べ物になりません。
出身大学で初任給が10倍くらい違ったりします!
で、
学歴になりうる大学に入るのって本当に大変です。
日本と違ってAO入試なんてありません。
高校の授業が朝7時から夜9時まであって、
未だに受験を苦に自殺とかある国です。
そんな中で有名大学に入学するのって、
日本の大学入試とは比べ物にならないくらい大変です。
入ったあとも苦労は続きます。
上位校の学生って信じられないくらい勉強します。
地頭が良い上に必死に勉強する。
そんな連中についていかなければならない。
第三に、これが大きな問題なのですが、
中国の大学を卒業しても、
日本では大卒として認められません。
もちろん、大学を卒業した事実は認められます。
しかし、
中国の大学は日本の法律で「大学」と認められていません。
「各種学校」扱いです。
ですので、中国の大学を卒業しても、
日本の法律上は大学卒業とは認められず、
最終学歴は「高卒」になります。
高校生の方からよくご相談をいただきます。
卒業後に中国の大学に留学したい、と。
日本で大学受験に失敗して、
中国に逃げるってな人は論外ですが、
そうではなく将来をしっかり考えて、
あえて中国という選択肢を取る。
若いのによく考えているな、と感心します。
ただ、リスクがあることは事実なんです。
言葉の通じない国で、
本当のエリートたちに揉まれ、
4年間で卒業しなければならない。
卒業したあとも、
必ずしも就活で有利になるとは限らない。
中国の大学への進学を検討中の高校生の方、
それ以上にそのご両親の方々には、
メリット、デメリットを冷静に分析し、
後悔することのない判断をしていただきたいと思います。
本科留学に興味がある方は、
こちらのサイトを参考にしてください。
「中国で本科留学」
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