「中国に留学するのが初めてでよく分からない!」という方に、中国留学について分かりやすく説明します。
中国に語学留学をする場合、留学の種類には次の2通りがあります。
●短期留学…数週間の留学
●長期留学…1学期以上の留学
短期留学は夏休みや冬休みに、大都市の大手大学や日本の旅行会社などが、短期講習という形で開催します。
それ以外の時期では、学期途中の部分参加や、マンツーマンレッスンなどの形で留学することができます。
中国で法律や医学など専門科目を学ぶ本科留学の場合は、中国語の検定試験への合格など資格の条件があります。
ですが、中国語を学ぶ語学留学については、資格の条件を設けている大学はほとんどありません。
60歳など年齢の上限がある大学は多いですが、高卒以上など学歴条件がある大学は皆無です。
語学留学の場合、入学試験はありません。入学後にクラス分け試験を行う大学はありますが、その成績が悪いと入学が取り消されるというわけではありません。
変な言い方ですが、お金さえ払えば誰でも入学できます。
中国語を一度も勉強したことがない初学者でも留学はできます。ですがお勧めはしません。
一番下のゼロスタートのクラスは欧米人など非漢字圏から来た留学生がほとんどです。このため授業では例えば「川」という漢字の意味や書き方の説明まであります。
日本人にとっては非常に退屈で時間効率が悪い授業になり、留学に費やすお金と時間に見合った成果を得ることができません。
ですので、独学でも良いですので日本にいる間にある程度のレベルまで勉強し、最低でも下から2番目のクラスに入るようにするべきです。
中国の大学は2学期制で、春学期は3月、秋学期は9月にスタートします。ですので中国への長期留学の場合、入学する時期は3月と9月になります。
ゼロスタートの初学者を除いて、多くの大学で学期途中の編入が可能です。また、マンツーマンレッスンであれば、ほぼ1年中いつでも留学できます。
長期留学は1学期からできます。ですが、可能であれば1年以上留学することをお勧めします。
1学期と聞くと長く感じるのですが、実際に授業があるのは18週間前後です。慣れた頃には留学が終わってしまいます。
もちろんお金と時間の問題はあるのですが、それらを解決することができるのであれば、1年留学したほうが良いです。
ザックリ言うと「1年=100万円」です。
もちろん、留学する地域や大学によって差はあります。北京や上海などの有名大学では120万円くらいかかりますが、地方都市の中小大学であれば80万円くらいで済むところもあります。
中国全土での平均では、1学期留学の学費は7,000元です。もちろん地域によって差があり、地方では5,000元の大学もありますし、大都市では10,000元以上の大学もあります。
ですが、中国留学の費用で最も割合が高いのは学費ではなく寮費です。ですので、留学コストを抑えたいのであれば、学費以上に寮費に注目すべきです。
中国では数百の大学が語学留学性を受け入れています。外国語大学や教育大学だけではなく、工業大学や農業大学にも語学留学生を受け入れている大学があります。
入学条件や制度はどの大学でもほとんど同じです。
一言で言うと「自分に合った大学」です。中国語のレベルや、中国語を学ぶ目的、留学後に何をしたいかなど、個人の事情によってベストの大学は違ってきます。誰にでも共通の「お勧めの大学」なんてものはありません。
自分に合った大学選びのコツは、「大学に求める条件を明確にする」、「知名度を当てにしない」、「人の評判や体験談に頼らない」ことです。
9月スタートの秋学期は7月上旬、3月スタートの春学期は前年の1月上旬がタイムリミットです。
ですが、直前すぎると必要な書類の発行が間に合わなかったり、希望する寮の部屋が満室になっていることがあります。そういったリスクも考えると、秋学期は6月上旬、春学期は11月上旬に申し込みをするのが無難です。
短期留学と1学期留学は訪問ビザ(Fビザ)、2学期以上の留学では学習ビザ(Xビザ)です。超短期の場合は観光ビザ(Lビザ)を取得することもあります。
中国政府から各大学に対しては、留学生には必ず海外保険に加入させるようにという通達が出ています。ですが現実問題としては、加入を義務付けている大学もあれば、義務付けていない大学もあります。
日本人の場合は、中国に留学する人のほとんどが日本の保険会社の海外保険に加入して留学しています。
できます。例えば、1学期目は上海、2学期目は北京とか、1学期目は地方のこじんまりとした大学、2学期目は大都市の大学で留学しながら現地採用の就職活動、といったこともできます。
中国での留学中の転校は、留学の可能性を大きく広げます。
通っている大学によって違います。留学期間も在学期間に参入して、1年留学しても4年で卒業できる大学もあります。大学の学生課などに確認してみてください。
卒業が遅れることで就職活動が不利になることはありません。何も得ずに4年で卒業した人と、1年の留学で得るものがあって5年で卒業した人。どちらが企業にとって価値があるか考えれば分かる話です。
また、1年遅れると友達と一緒に卒業できないという人がいますが、友達と一緒に卒業することと、自分を成長させること、どちらが価値があるか、どちらが就活に役に立つか、よく考えたほうが良いです。中学生じゃないんですから。
一般的なのは次の4課目です。
●総合…文法が中心
●口語…会話練習
●聴力…ヒアリング
●閲読…長い文章の読解
もちろんです。授業はすべて中国語で行われます。
授業中に英語を使う教員もいますが、あくまでもたまにです。日本語で授業を行う大学はありません。
もちろんできます。ただ、たくさんのクラスメートが見つめる中で質問するのって、けっこうハードルが高いですよね。
そういうのが苦手という人は、1クラス人数が少ない大学を選んだほうが良いです。
規模の大きい大学であれば選択科目として学ぶことができます。他にも中国画や書道、篆刻などの科目もあります。
しかし、そこそこの中国語を話せる人などいくらでもいます。就職活動で有利になるためには、相当レベルの中国語を身に付ける必要があります。ですので特に社会人の方は文化系の選択科目などには手を出さず、中国語の習得に専念することをお勧めします。再就職って甘くないですよ。
こればかりは人次第です。中国に留学すれば必ずこのレベルまで上達できるという話ではありません。
まじめにキッチリ勉強して、互相学習などで中国人と会話をする機会を頻繁に作れば、1学期で生活に不自由しない程度の力はつきます。ただ、1学期でビジネスレベルというのは非常に難しいです。
また、日本人は特にヒアリングを苦手とします。ヒアリングを伸ばすには中国人と交流する機会を増やすしかありません。
ですので、ついつい日本人同士でつるんでしまいそうという人は、日本人が少ない大学を選ぶと良いでしょう。
日本で文法面を一通り勉強し、そのあとで中国に留学し、1年間死ぬ気で勉強すれば、現地採用で働けるレベルになります。
それとは別に、各業界によってよく使う用語や言い回しがありますが、これらは働きながら身に付けていけば良いです。
中国への語学留学で大学卒業の資格を得ることはできません。1学期や1年の留学で大卒扱いになるわけないですよね。
中国の大学の卒業資格を得るためには、入学試験を受けて正式に大学に入学し、4年間在籍して必要な単位を取得し、卒業論文を書いて承認されることが必要です。
また、日本の法律では中国の大学は日本と同等の大学とは認定されていません。ですので、日本の高校を卒業して中国に留学し、中国の大学を卒業した場合、日本国内では法的には高卒扱いになります。
中国ではほとんどの留学生が学内の留学生寮に住みます。
また、多くの大学が学外に住むことを認めていますので、2学期目から外にアパートやマンションを借りて住む人も多いです。
大学によって違いはありますが、平均すると地方大学の1人部屋で1日50元、大都市で80元くらいです。2人部屋はその半額です。
寮費は中国留学での最大の費用項目です。コストを抑えたいのであれば寮費の安い大学を選びましょう。
8~10畳くらいの部屋にベッドと机が2つずつある。これが2人部屋です。ホテルのツインルームをイメージしてください。
そしてこれを1人で使うのが1人部屋です。また、3LDKのアパートを3人で使うルームシェアタイプの寮も一部の大学ではあります。
学内には学生食堂があり、留学生も利用できます。また、大学の周辺には学生相手の安い食堂もたくさんあります。
学食で食べる場合、1食あたり5~10元くらいです。学外の食堂ではそれより数元高くなります。
あとは飲み物ですが、500mlのミネラルウォーターが1本1元、ジュース類も2~3元です。
中国には毎年10万人以上の外国人が留学に来ています。ですが、留学生が食中毒で死んだという話は一度も聞いたことがありません。
また、中国の料理はキュウリでもトマトでもレタスでも、必ず火を通します。テレビで報じられるほど危険なわけではありません。
ただし、水道水は飲むことができません。必ずミネラルウォーターを買って飲んでください。
省都クラスの都市では必ず日本料理店があります。
また、北京や上海などの大都市には、サイゼリアや吉野家、ココ壱番屋などの日本の外食チェーンも出店しています。
ほぼ全ての大学の留学生寮で使えます。ただし、速度は日本と比べると遅いです。
中国の大学では留学生も含めてほぼすべての学生が携帯電話を持っています。携帯電話は必需品です。
携帯電話の本体は安いものでは数百元、スマートフォンは2,000元くらいから購入できます。アンドロイド端末やiPhoneももちろんあります。
寮に共用の洗濯機があります。
ほとんどの大学で学内に病院があります。また、上海、北京などには日本語を使える病院もあります。
市内の移動はバスが主役です。運賃は1~2元です。大都市では地下鉄も増えてきました。
また、中国の大学はどこもキャンパスが広いため、現地で自転車を買う人も多いです。
「日本と同じくらいに危険で、日本と同じくらいに安全」です。
暗い夜道を真夜中に女性が1人で歩いていると、日本でも危険ですよね。中国も同じです。
ですので、普通に留学生活を過ごしている限りは、中国の治安は日本と同じです。
ただし、スリだけは日本よりもはるかに多いです。込み合ったバスの中などでは注意が必要です。