さて、前回まで24回に渡って、大学選びのポイントをお話してきました。今回はちゃぶ台をひっくり返すような話です。「おいおい、それはないだろ~」ってお話。
●標準語がきれいな地域
●日本との行き来がしやすい
●1クラス人数が少ない(5人以下)
●クラスのレベル分けが多い(5段階以上)
●日本人は全体の5%以下
●特定の国籍に偏ってない
●二胡と発音矯正の選択科目がある
●HSK補講がある
●日本語学科が同じキャンパスにある
●1人部屋を確実に確保できる
もし、あなたの大学選びの条件がこうだったとしましょう。選べる大学はゼロです。すべてを満たす大学はありません。すべてどころか、最初の2つですでにキビシイ。
●標準語がきれい
この条件でハルビン、長春に絞られます。
●日本との行き来がしやすい
ハルビンへの直行便がある日本の空港…新潟、関空。長春への直行便がある日本の空港…仙台、成田、中部、福岡。北海道、中国、四国の人は、2つ目の条件でアウトです。
また、2クラス人数が少ない大学は小規模校が多いので、クラスのレベル分けは少ないところが大半。レベル分けが多いのは大規模校が中心なので、1クラス人数、日本人ともに多くなりがち。発音矯正の選択科目がある大学なんて、中国全土でも限られています。結局のところ、すべての条件を満たす大学なんてかなりの確率で存在しないわけです。
じゃあ、どうするのか?ここで重要になってくるのが「優先順位」、「妥協ライン」の2つです。
たくさんある希望条件を、「絶対に譲れない条件」、「できれば実現したい条件」、「実現できなくても我慢できる条件」に分ける。同時に、「1クラス人数は5人以下が理想だけど、10人以下までなら我慢する」という妥協ラインを付けていきます。
ここでポイントは、これらは必ず紙に書き出す、ということです。これは実際に書いてみるとよく分かります。一度試してみてください。
条件を書き出す。優先順位順に並べなおす。妥協ラインを書き足す。そして、各大学のデータを見て、候補大学をピックアップする。
この作業を実際に行い、各大学のデータを見ることで、他にも重要と思われる条件が出てきたり、優先順位が変わってきたりします。そこでまた、条件を書き出し、優先順位順に並べなおし、妥協ラインを書き足し、各大学のデータを見て、候補大学をピックアップする。
非常に面倒なんですが、この作業を繰り返すことで、自分に本当にピッタリの大学を選び出し、それと同時に、自分の留学目的が明確になり、留学中にどのように動くかも明確になります。結果として、成果のあがる留学ができるのです。
誰かのブログに●●大学が良いって書いてた。おすすめ大学だってエージェントのサイトに載ってた。先輩がこの大学に留学してた。そういった理由で選ぶ方が楽は楽なんです。面倒なことをしなくて良いし、結論がすぐに出る。
ですが、あなたが留学に求めるものは、本当に他の人と同じなのか?あなたの性格や志向は、他人と同じなのか?他人に合ってる大学が、あなたにも合っているのか?自分に本当に合っている大学を見つける。これこそが留学成功への第一歩だと私は思っています。
【今回のまとめ】
1)すべての条件を満たす大学はない
2)優先順位と妥協ラインを明確に
3)自分に合った大学探しこそが、留学成功への第一歩