歴史と伝統を誇り、入試を突破できるのはスーパーエリート、日本でも名が知られる名門大学。
「留学するなら名門大学が良い」 言い換えると、「名門大学は教育レベルが高い、授業がうまい、良い先生が揃っている」 果たして本当にそうなのか?
例えば、東京大学を考えてみましょう。確かに東大は国内随一の研究成果を出し、一流の教授陣が集まっています。なぜか? 入試があるからです。
国内最難関の入試を突破する。つまり、頭の良い優秀な学生が集まる。一部の優秀な学生が卒業後も大学に残る。そして、特に優秀な学生が教員となる。外部からやってくる教員たちも、当然、そのレベルであることが求められる。優秀じゃないと、頭の良い優秀な学生を教えられないですから。
では、中国の名門大学は? 中国人が学ぶ普通のコースは入試があります。日本よりはるかに激烈な受験戦争です。ですから、上の理屈は成り立ちます。
これに対して、我々外国人が中国語を学ぶ、いわゆる語学留学コース。入試はありません。お金さえ払えば誰でも入学できます。ですから、上の理屈はまったく成り立たないんです。
もちろん、名門大学の先生方のレベルが低い、と言ってるわけではありません。「名門大学だから教師も優秀」こんな単純な図式は成り立たない。逆に言うと、「名門じゃないから教師は低劣」とも単純には言えない。
やっぱり、「名門」とか、「ブランド」とか、そんな上辺で判断してはいけないのです。内容をキッチリ見極めるべきなんです。
それともう一つ。特に大学生の方で多いのですが、「名門大学に留学したら、就活で有利」これもありえません。
よっぽどの中小企業でもない限り、人事の人は留学事情を知っています。入学試験なしに名門大学に留学しても、「だから、この人は優秀」とは判断してくれません。
もちろん、入学試験をチャンと受けて、4年間学んで単位も取って卒論も書く、つまり「本科留学」であれば、当然、評価されるでしょうが。
【今回のまとめ】
1)「名門大学だから良い」とはかぎらない
2)就活で有利になることもない
3)上辺ではなく、内容をシッカリ見極めるべき